第22回

学歴社会を考える(3)

  

実力主義を説明できますか?

 「学歴が高いからといって仕事ができるとは限らない」とか「ラベルで人の力はわからない」とか「努力やプロセスが大事」という教条的な一般論がありますが、そういう論法が口ばかりの学卒の意識を変えるのににどの程度役にたつでしょうか。学歴は一般社会における指標にすぎないことを、会社での業務上のパフォーマンスによる貢献度と上司や会社の評価と対比して相対化させてやり、あくまでも仕事に要求される水準と実力の関係を説明をする方法をとるのも一法でしょう。学歴を無視して実力を問うのではなく、実務上の必要性のある学歴を裏付ける専門能力と一般能力を要求するというスタンスです。

 態度や努力、年功、モラールなど浪花節的項目にウエイトが高い日本式人事考課がコミットメントを得にくいことは事実でしょう。また能力や業績を評価する個々の要素における実際の評価の高低やウエイトづけが明確に説明できなければコミットメント以前の妥協すらも得にくいことと思います。

 実力主義を標榜する会社であればその「実力」とは何か、そしてそれをどう測定し評価するかを明確に説明できなければならないでしょう。筆者の勤務先の例をあげると、残念ながら日本人管理者の多くは確立した「実力」の定義を自らの内に持っていないようです。「実力」とその評価方法についてとってつけたような説明しかできなかったり、所変われば言うことも変ったりします。学歴や実力の取り扱い、目標(要求水準)や達成度評価を明確にせずに「ちゃんと見ている、悪いようにはしないから信じてついてこい」というのは今どきは日本でも通用しません。それを言うほうも信じるほうも甘えが過ぎます。
 「口ばっかり」と嘆く前に何がどうでなければならないのか、わかるようにちゃんとした説明ができることが必要です。説明できないとすればその理由を疑われてもしかたがありません。

 

 


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