第36回

二千年問題

  

 

  航行中の船の機関が停止するなど、伏兵「九十九年問題」によるコンピュータのトラブルが報告されています。九十九年問題とはコンピュータで扱うデータ終わりを示すのに「九九」を使用している場合などに生じる問題で、本質的には二千年問題と同様の性質を持つものです。二千年問題の陰で見過ごされてきましたが、やはりこうして現実にトラブル事例が報告されると二千年問題ではもっと多くの事件が起きるだろうと感じます。

 筆者の勤務先でも二千年問題への対応は、主として情報通信部門が管理しているホストコンピュータ、ワークステーションやパソコンなど、いわゆるコンピュータとして意識されているコンピュータを中心にしているのが実状です。ご存じのように今やありとあらゆる機器にコンピュータや時計が内蔵されているわけで、生産ラインに配置されている計測器や工具などをすべて網羅してチェックして対策をすることは難儀です。測定レポートの日付がおかしくなったり、前日との比較データが出なかったりというぐらいなら、出た問題をつぶした方が速いということもあります。やはりトラブルが生じたときに文字通り致命的な影響が出るものに関してチェック漏れがないかどうかが重要です。

 タイでは一昨年まで二千年問題は社会的に大きな話題になりませんでした。昨年に至っても巷で開催されるセミナーは「二千年問題とは何か」というような入門的なものが多かったようです。タイではコンピュータで仏歴を使用しているケースも多く、すでに二五四二年になっているという事情もあるでしょう。またタイの情報化は最近のことですから、問題のある古いソフトやハードが少ないという事情もあるのでしょう。けっして「なんとかなるさ」と軽視されているわけではない、と信じましょう。

〈了)

 

 

 


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