第47回

現地調達のジレンマ(4)

  

 

  脈絡のない話がつづきますが、ローカル部材メーカーからの部品調達が進みにくい要因について、つれづれに考えてみたいと思います。

 技術面で言うと普通すぐ頭に浮かぶのは加工技術や工程の維持管理の水準がどうかということですが、それ以外にもいろいろな要素があります。

 図面というのは誰が見ても同じものが作れる標準書だというのが基本ではありますが、暗黙知が相当含まれているのも事実です。必要なことは図面から読み取れなくてはいけないのですが、実は必要なことをすべて図面に記入すれば図面は真っ黒になってしまうということもあります。したがって、各社の技術標準を含め書いてあることないことを熟知することがコントラクトマニュファクチャラーの必要条件と言えます。特に転職も一般的でない日本では、セットメーカーが技術面、生産管理面でその会社独自の標準体系を築いていて用語の使い方一つとっても各社まちまちであり、慣れない部品メーカーにはとまどいがあるでしょう。

 さらに標準についていえば、例えば度量衡は国の基礎ですが国際標準化が進んだ今日、私たちは国ごとの違いを意識することは少なくなりました。米国であれば未だにインチ・フィートを意識せざるを得ませんが、タイの単位を気にするのは土地面積を語るときぐらいかもしれません。そのためかTIS(タイ国の工業規格)の存在を意識して技術情報を取り扱っていることも少ないのが実情ではないでしょうか。多くの日本メーカーの製品が基本的にはJISをもとにした社内技術標準で設計されているなか、欧州で現地生産する時には現地の工業規格で標準になっている鋼板の板厚をもとに設計を変更するようなケースでも、タイではもとの設計のまま日本材料を輸入することが多いと思います。

 

 


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