第61回

コミュニケーション(2)

  

 

 筆者の勤務先では英語も使われていますが、会社の標準はタイ語と日本語の二言語であり、ISO9000 やISO14000の公式文書はすべてタイ語と日本語の両方をオリジナルとして維持しています。

 必要な人が必要な文書を正しく読んで理解できなくてはならないということになると、ひとつの言語でしか用意されない文書ではそれが保証されません。この「複数言語のオリジナル文書」がごまかせない事実としてコミュニケーションギャップを目に見えるものにしています。

 会社の標準言語を何語にするかということは大きな意思決定です。社内の会話や文書もそうですが、対外的な契約文書などにも関係します。たとえ常に翻訳が行われているとしてもオリジナルをどちらにするかということが重要な意味を持ちます。

 商社の事務所などであれば英語が標準になっていることでしょう。また製造業でも国際化の進んだメーカーの工場であれば、幹部の会議を英語で、日本の親企業との通信も英語でそれぞれ行えますから、日本語を排除して運営すされているかもしれません。

 しかしプラザ合意以後の進出ラッシュ設立された日系製造工場の多くではさまざまな事情により日本語とタイ語の併用となっているのが実態ではないでしょうか。

 筆者の勤務先もこれまでタイ語、日本語を中心にしてなんとかうまくオペレーションを続けてきました。しかし実は最近事情が変わって、英語の重要性が高くなってきています。その理由の一つは世界中の販売会社と直接取引をはじめたりして、いままで日本だけを向いていればよかったタイの工場自体が国際化を迫られているということがあります。現代ではやはり「現地語+英語」というのが会社の国際化に伴って形成される一般的な姿のようです。

 

 


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