第65回

コミュニケーション(6)

  

 

 日本人がタイでうまく仕事しようとしたらタイ語を勉強するのは必須です。またタイ人が日系企業で長く働いていずれはエクゼクティブとして活躍したいなら、少数の例外は別として日本語をマスターすることが基本要件になります。したがってどちらにも勉強してもらわねばなりません。 

 もし会社がなんらかの語学教育を従業員に提供するとしたら、お金のかかることでもあり、現実には優先順位をつけていかなくてはならないでしょう。タイ人に日本語を勉強してもらうか、日本人にタイ語を勉強してもらうかむ方もいらっしゃるかもしれません。

 費用対効果を考えれば駐在期間も限られ、集中力、記憶力が衰えた中年の多い日本人よりも、意欲があるタイ人の若手に日本語を勉強してもらったほうが有効とも言えます。さらにその上に習得した能力を発揮してもらうことを考慮すると、ある程度の仕事上の権限があったり、技術関係の要職にあるほうが好ましいということになります。

 タイの人は試験にパスすることによって資格を得るというシステムを、企業内教育にまで拡張して考える傾向が強いように思います。ですから日本語を勉強することの目標は日本語の図面やレポートが読めたり、日本の担当者と電話で打ち合わせができるなど、達成基準を明快にしてしまうほうが受講者本人たちにもなじみが良いです。したがって日本語能力獲得を業務としてしまい、習得度合いを業務成績として評価してしまったほうが物事をすっきりさせます。

 語学研修の結果が業務に行かされないのは、研修のフォローを怠っているとか仕事の与え方がおかしいとかその上司の責任が大きいのです。研修の有効度は上司に対する評価にも反映させなくてはならないでしょう。
す。

つづく

 

 

 


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