第73回

比較文化?(7)

  

 

 日本人駐在員誰もが、タイの人にどう接していくか、どうマネージしていくかという課題を持っています。そうしたニーズのあるところ異文化セミナーがよく開催されます。こういったセミナーのタイトルを見ていると「タイ人の価値観」、「タイ人のライフスタイル」、「タイ人とのコミュニケーション」など主としてタイ人に日本人がどう合わせていくかということが中心になっています。

 着任早々性急な経営改革、生産性向上活動に突っ走って挫折するというような失敗例もあるようです。まずはボタンを正しく掛け、歯車を噛み合わせていくことが第一であることは論を待たないでしょう。最初に必要なのはタイの人と密度の高いコミュニケーションができるようになるために、タイ人を知ることと、日本人が陥りやすい失敗例を勉強することであるといえます。

 ここまでは良いとして、次にくるのが自分を省み考えや行動を変えることです。これは容易ではありません。こうしたセミナーなどに参加する人は自分の経営スタイル、管理監督スタイル、あるいはフォロワーとしてのスタイルを変えることの必要性についてどれほど認識しているでしょうか。どうすればタイ人に日本人と同じような思考パターン、行動パターンを植え付けることができるかという方法論を性急に求めているような人が少なくないとは言えないでしょうか。

 しかし今うまくいっていないのなら、まず変えなければならないのは自分です。その際には先入観と固定観念で固められた自分の価値観に揺さぶりがかかることを覚悟しなくてはなりません。最近日本で出版される管理者テキストには従来の操作主義からの脱却を管理者に求める内容が見られるようになっています。考えれば外国人が異国において操作主義で臨むことには、いろいろな意味で危険が多いことに思い当たります。

つづく

 

 

 


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