第83回

NOT TO DO LIST

  

 

 一年の計ということで筆者も今年の目標を並べましたが、ちょっと数が多すぎて困っています。ハーバードビジネス誌でコリンズという人が「人気の携帯情報機器(パームパイロット)の新バージョンでは「すべきことのリスト」に1500項目もの書き込みスペースがあるが、ぞっとする話ではないか」と云って、重要なのは「やめるべきことのリスト」だと続けています。筆者もまさにその電子手帳を使っているのですが、そうでなくても何かをやめなくては身動きがとれないほど TO DO LISTはいつも一杯です。これは筆者に限ったことではないでしょう。

 会社や部門の年度方針、重点取り組み項目を文書にするときに、本当に重点化、フォーカシングされているかというと、実際はあれも大事、これも大事とボケていることが多いです。「安全第一」、「品質は命」、「環境を汚す企業は生産する資格がない」、「タイ工場の存在価値はなによりコスト競争力」と並べられて戸惑わずに仕事をしているのは、皆がよっぽど大人である証拠でしょう。こうした呼吸は長年同じ会社や組織でやってきたものでなければ合いません。海外となれば本音を理解してもらうのはなかなか難しいです。

 条件や意味合いの異なる言葉を整理して、構成員にベクトルの揃った行動をとらせ得る方針や目標を作るのは実は至難の業です。一年ではやりきれないことのなかから今年やらないことを決めるのに時間が費やされ、できてもせいぜいそこまで。恐らくもっと重要な「いまやっている何かをやめることを目標にする」ところまでは考えが及びません。

 ということで、ダイエットしなくてはならない筆者の目標リストですが、「今年こそ長期のタイ駐在に区切りをつける」という項目をどうしましょう。悩みです。

〈了)

 

 

 


目次に戻る