第91回

採用選考

  

 

 GEやノードストロームなど組織の力の源泉を人の態度、能力に置いている会社について書かれたものを読んでいると、現代の成功した経営者たちがやはり何よりも人を中心に経営を考えていることがわかります。これらの経営が日本の漠然とした顔の見えない従業員重視と様相を異にするのは、個人個人の能力と態度をシビアに問う選別と集中の思考です。

 もちろん現状で発揮されていない人の隠れた力を引き出すため経営もあらゆる努力を払いますが、ついて来られない、あるいは考え方で相容れないところのある人間には去ってもらうことがどちらにとっても幸福です。今やそれで人生が終わるわけでも個人の価値が全否定されるわけでもない多様性の時代にあるでしょう。

 どの会社も多くのリソースを投じて人事制度、人材育成制度などを構築します。またOff JT、OJTに時間を費やして人を育てます。キャリアパスを含め目標管理などで上司と部下が話し合う面談は真摯な人生相談となります。そうであればやはり最初の採用時点が何よりも重要に思えます。会社の風土、技術管理レベル、業務の要件に合う人材を慎重に採用することが重要なのはもちろんですが、難しいのは組織には異端児も必要という点です。意図的にばらつきを作っていくことも意識しなくてはなりません。

 ともあれもし社内の人材に不満があるようでしたら、ペーパーテストや面接など採用選考にかけている力が十分かどうか見直してみたいものです。筆者が一番有効だと思うのはやはり十分な時間を与えて小論文なり、レポートなりを書いてもらうことです。ただタイ人は全般に作文が不得手ですし言葉の壁もあり簡単ではありません。しかし後の苦労を思えばそれなりの価値があるはずです。

〈了)

 

 

 


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