ダウンロードソフトに輸入関税?

 これも最近のバンコク週報に出ていた記事です。
 「歳入局、ダウンロードソフトに課税検討」という見出しで先日開催された「電子情報交換セミナー」でタイの大蔵省の歳入局がインターネット経由のダウンロードソフトウェアへの課税を検討していることを明らかにしたそうです。同局の代表は「無関税の電子取引きによる歳入減の深刻さを示し、今後は解決に向けて本格的に乗り出すことを強調した」そうです。そして「解決にむけた技術開発を急ピッチですすめている」そうです。さらに「インターネット取引のすすんだ先進国での(政府歳入への)被害は膨大だろう。しかしタイのインターネット取引きはまだ始まったばかりだ、初期段階で対処すれば比較的容易だろう。」と解決への自信を示したそうです。

 できるものならやってみて欲しいものです。
 解決にむけた技術開発を急ピッチですすめている」人は大変な宿題をもらったものです。
 私がアメリカからダウンロードして日本に決済口座のあるクレジットカードで払ったソフトはいったい誰が課税権を持つのでしょうか? そして、そのソフトをアメリカのサーバーに転送常駐させて使って、タイにあるコンピュータにはコードのかけらも残っていなかったら?
 現行の各国の法律を解釈するとどうなるのでしょうか? これを見た専門家の御意見をお聞かせいただければ幸いです。

 話は変わりますが、一年程前にインターネット上のポルノとかが騒がれた頃、バンコクではプロバイダーが本格的にサービスを拡大しているときでした。あるプロバイダーの経営者は新聞記者のインタビューを受け、ネット上のモラルの維持(タイは敬謙な仏教国です)や犯罪防止にどう取り組むか、というインタビュアーの質問に、「いざというときはユーザーのメールボックスを調べることができる。」(プライバシー感覚こんなもんです。)と発言してしまい、さすがにその後しばらくバンコク・ポスト誌の投書欄を賑わすことになりました。

 さらに話は飛びますが、1992年のクーデーターのあと成立した民間人のアナン政権をついで首相になったスチンダ陸軍大将も「軍のシビリアン・コントロールをどう考えるか?」という、(確か)日本経済新聞の記者の質問に「私の妻は市民であり、私はそのコントロール下にある。」と冗談で答えて「シビリアン・コントロールをまじめに考えているようには見えなかった」と不興を買ったものです。その後の5月騒動でご本人失脚したのも無理からぬことではあります。(多くの市民が亡くなりました。)

 この三つの話とても印象に残ります。タイでは偉い人の発言が軽率な形で公になっちゃうことが多いです。日本でも偉い人自身の中身はあまりかわらないけど、おみこしの社会で優秀な部下がみっともない事態を防いでいます。しかしこちらでは下は無理難題に四苦八苦させられ、最後大体は権力でごり押しでなんとかしちゃうというパターン。結局言ったことができなくてもそれが追求されるのはライバルからだけで、あまり問題になることもないですが。冒頭のダウンロードソフトへの課税の話、結局誰も気にしてないでしょう。

 


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