バンコクの鉄道工事

  

 今バンコク市内ではいろいろな鉄道工事が行われています。いちばん目立つのはシーロム通り、ラチャダムリ通り、パヤタイ通り、スクムヴィット通りなど主要道路で建設がすすんでいる高架鉄道の工事です。先日バンコクのフリーペーパー情報誌の「ボイスメール」でも特集が組まれていました。いろいろな工事があり、あまり広報されていませんのでその全体像はわかりにくいです。

 ホアランポーン駅の駅舎の運河よりのところにステンレスに輝くしゃれた電車の車両が展示されています。これは香港のホープウェルが国鉄SRTと組んで建設を進めている鉄道で使用される車両です。

 バンコクにはいくつかの鉄道プロジェクトが平行してすすんでいて、時折それらを混同される向きもあるようです。

 整理すると、

 1)バンコク都庁BMAとタナヨンのBTSC高架軽便電車計画(Yの字マーク)

 2)国鉄SRTとホープウェルの高架鉄道計画(Bに鉄道線路のマーク)

 3)スカイトレイン計画→首都高速鉄道公社MRTAの地下鉄計画

の3つの計画があるわけです。(現バンコク都知事ピチット氏が選挙で公約した運河沿いのモノレール計画というのもありますが、これはまだ研究段階です。

1)は市街で早い者勝ちで着工(あとから工事するほど高いところを通さなくてはなりませんし、設計も大変)、車両基地用地の場所でもめたり色々言われながらも雑音を気にせず順調に?工事中。

2)は93年に着工したが、計画自体が続くか続かないかの丁々発止が繰り広げられていて工事は言い訳程度といってもよいくらい?

3)はカナダのラバリン社が継続できず92年に契約解除、環境問題がこじれたりして地下鉄に計画変更、地下鉄は民間には資金的に荷が重すぎ現在は公社での推進となっています。

 国鉄の線路上でのホープウェルの工事は遅々とすすんでいますが、資金繰りも厳しく、完成時期を疑う声は多いです。少し前には、タイ政府とは資金繰りに関連し工事の遅延(なにしろアジア大会には開業させるという当初計画!)をめぐって違約条件(完成遅延一日あたり賠償いくら)などの取引が計画そのものを人質に繰り広げられていました。(計画が崩壊すると困るのは君たちでしょうというのは、典型的なバブル破裂時の開き直りパターンですね。)できる限り計画の信憑性を高めるためにホアランポーンに車両のモックアップを展示しているのだと思います。資料で確認したら第一期はチャトチャクからドンムアンまでで、ホアランポーンへは第2期で来ることになってました。

 実際のところ私はホープウェルのゴードン・ウー会長がいつ頃この計画を完成させる腹積もりなのか、大変興味があります。この計画の「従来の鉄道の敷地の上に従来線と高速電車を複々線で走らせ、その上に有料道路を建設、高架下は商業施設として利用する」という青写真は途方もないものに見え、当時平行する路線にドンムアントールウェイも工事中だったこともあって、私にはフィージビリティは疑わしいのものに見えたのですが、工事が実際に始まったのは一つの驚きでした。(このプロジェクトに関係されているかたがいたらごめんなさい。)

 アジア大会の開幕は来年末だったと記憶してますが、もちろんこの第一期の完成は不可能でしょう。ニュースによれば、そもそもアジア大会そのものが開催する施設の完成が間に合いそうもないなど準備の遅れによって事務局によって強制的に違う国に変えられるかもしれない状態なんだそうです。いずれにしてもタイ国として面目まるつぶれになりかねないですね。

 計画が頓挫して、空港前の線路脇にならぶ巨大な高架の柱の列が。タイ政府屈辱のバブルの塔として何年も無惨な姿をさらすことにならないように祈ります。

 

P.S. 先日3週間ほど前に中国企業によるホープウェル買収の未確認ニュースが流れましたが、続報はその後ありません。

 


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