BOI

  

 タイで外国資本が事業使用とするとほとんどのケースで関係してくるのは「投資委員会(BOI: Board of Investment)です。タイ国での事業のFAQとでもいうべきBOIについての入門編です。

 BOIは普通「タイ国投資委員会」と訳されます。「投資奨励法」に基づいて設置された首相を議長とする12名からなる委員会です。そのものは役所ではありません。大きな投資奨励案件はこの委員会で審議されます。

 その事務局が首相府所属の「投資委員会事務局:Office of the Board Of Investment」です。昔はBOIと区別してOBOIというアブリビエーションを使っていたようですが、最近はOBOIもBOIもいっしょくたにBOIと一般に呼んでいるようです。ある規模から以下の投資奨励案件はこの事務局の権限で認可が行えるようになっています。

 この「投資委員会事務局」のオフィスはウィパワディーランシット街道のTPIのビルに隣接して、セントラルプラザホテルの真向かいにありますので、ご存じのかたも多いでしょう。こちらは首相府所属の役所ですから、トップは役人で「事務局長: Secretary General」という肩書きです。現在スタポーン氏がこの職にあります。

 フィリピンには同じ名称のBOIがありますが組織形態や機能がタイと同様なものかは私は不勉強で存じません。マレーシアでは通産省内の工業開発庁(MIDA:Malyasian Industrial Development Atuthority)が普通同様の役所として言われています。

 タイの投資奨励法やBOIは別に外国資本や工業に限ったプロモーション活動しているわけでなく対象は広範です。

 投資奨励恩典に「輸出入関税の減免」や「外国人労働許可証枠の授与」などがあり、88〜92年当時は投資ラッシュで手続きも新しい投資業種にあわず事務も遅滞しました。そのためと、この役所が税関や警察局出入国管理局や労働局への働きかけをするだけであくまでもこれら別の役所が関税の決定や労働許可の発給をすることを理解されないこともままあったりし、あまり良くないイメージをもつ外国人投資家が多かったです。

いまだにこのへんの仕組みに誤解を持っている外国人投資家は多いようです。しかし、BOIでの事務は混乱というに近かったし(審査担当係官の机の上や下やまわりにはまさに書類の山でした。)、今でも全く面倒が無いとわけではないでしょう。

 英語の申請書類を受け付けてくれることや、コンサルタントを使って事務処理方法や組織の改善に努めるなど、この辺の柔軟さは日本の役所に慣れているものとしては感心するところです。6月30日が開所式だったワンストップサービスセンターで労働許可証発給推薦状の発行から、労働許可証発給までを一つの窓口でやってくれるようにするなどの役所間の調整によるフレキシブルな対応は日本では時間がかかるでしょう。(別に絶賛するわけではありませんが。)役所のトップが実績を官庁の実務であげようと言う意識が強いことやトップの意思でちゃんと役人が行動するというあたりが日本と違います。

 現在は製造業関連ではBUILDというプログラムを推進しサポーティングインダストリの充実に注力しており、細かいアンバランスはあるものの金型産業などそれなりの成果もあがってきています。

 新興のライバルに工業省管轄の工業団地公社(IEAT:Industrial Estate Authority of Thailand)があり、こちらも投資奨励恩典を与える権限を「タイ国工業団地公社法」に基づいて運営されている「工業団地内」に限って持っていて、こちらは工業省の直轄部門として、工業省と密接な関係をもっており、早くから「工場設立許可」や「工場操業許可」などについて本来工業省工場局が行う業務をワンストップサービスで代行するサービスを提供していたため、対抗上BOIも頑張っているということもあるかもしれません。

 ちなみに労働許可推薦についてはBOIもIEATも恩典を提供しており、両者の恩典で労働許可証枠を持っていると、双方の推薦状でそれぞれ出入国管理局で労働許可発給申請ができてしまいます。この不都合を避けるため両者の担当者による定例の会合が開かれており、調整がはかられています。

 


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